失敗しないハウスメーカーの選定方法とは

家を建てようと思った時、まずは総合住宅展示場に行ってみたという方が多いのではないでしょうか。
しかし、どこの会社も良いことばかり言って、「何が違うのか分からない」という声をよく耳にします。
では、どういった基準でどのように比較しハウスメーカーを選択すれば良いのか、一緒に考えてみましょう。

住まいづくりの判断軸

人生は選択の連続で、私たちは何かを購入する際にある程度の判断基準をもって選択していると思います。
インクのもちや書き心地で判断しているボールペン、着心地や丈夫さで判断している洋服…。
では、住宅はどんな判断基準を持って検討したら良いのでしょうか。

良い住まいづくりの8要素

住宅は8つの要素に分かれており、突出した1点ではなく、トータルなバランスで考えご家族の暮らしにフィット出来る商品なのかという広い視野を持って判断することが大切です。

➀外観デザイン

外観デザインには、デザイン面機能面の2点で考える必要があります。
また、デザインとは言っても、お客様の好みなデザインにプラスして生涯飽きがこない工夫がしてあるという事が重要です。
機能面というのは、デザインを重視しすぎて長期的に考えると雨漏りの可能性があったり、構造が弱くなった等といったことがないよう、また、メンテナンスを最小限に抑えた素材や形状を考えて検討するということです。
「何でもできますよ」ではなく、こういったポリシーをしっかりもったハウスメーカーを選択しましょう。

②プラン空間

住宅というのは、人生の7割を過ごす場所だと言われています。
そして、子どもが学生時代、子どもの手が離れた時、子どもが結婚して孫を連れてくる年代等、家族は様々な形に変化します。
未来の家族のあり方は誰にも予想は出来ませんが、ある程度イメージしそれに応じた可変性を持った住宅にしておく必要があります。
目先の事や、将来の事だけを考えるのではなく、段階に分けて対応できるプラン空間計画を考えてくれるハウスメーカーを選択しましょう。

③構造/工法・性能

住宅の性能は3つに分かれます。

ⅰ耐震性能 ⅱ断熱気密性能 ⅲ耐久性能

日本は四季がある上に、雪が多く降る北海道から温暖で台風がよく来る沖縄まで全く異なる気候の地域があります。
更に、人によって感じる温熱環境は異なるなど、採用する住宅性能は地域や人によって異なるべきです。
また、初期性能が良い住宅は今や当たり前です。初期性能が生涯に亘って持続する工夫がされているのかが最も重要です。
自社の特徴や他社との性能の違いを説明するだけでなく、地域やお客様にとってぴったりな性能を説明されるハウスメーカーを選択しましょう。

④仕様(設備/部材)

喘息持ちのお子様や掃除が苦手な奥様、長風呂するためお湯が冷めにくい湯船にしたい方等、ご家族の特徴や使用状況に応じて仕様や設備部材は選択します。
こういった特徴や使用状況をしっかり伝えて、それにしっかりと応えてくださるハウスメーカーを選択しましょう。

⑤暮らしやすさ

暮らしやすさとは、「収納計画」「動線計画」の2つがお客様にフィットしているかで決まります。

ⅰ.収納計画
・現在と未来に亘っての「絶対量」の収納が確保されているか。
「適材適所」に収納が配置されているか。
・片付けなくても片付くよう、ご家族それぞれの「動線に絡む」よう配置されているか。

ⅱ.動線計画
・使用頻度や回数によって重要度の高い部分について「短い動線」になっているか。
・行き止まりを作らず「回遊動線」を取り入れた間取りになっているか。
・行ってきます動線やただいま動線、家事動線などが「一筆描き動線」になっているか。

⑥価格

住宅は、「消費」ではなく「投資」としての品質内容になっているのかという事と、希望予算~最大お支払い可能額までの間で建築可能かつお客様ご自身が納得できる住宅に対しての適正な価格なのかという、目先の金額で判断するのではなく、3つの幅広い視野を持ってハウスメーカーを選択しましょう。

⑦住まいづくりプロセス

会社が伝えたい情報(自社商品特徴や他社との違い等)ではなく、お客様ご自身が知りたい情報を「言葉」ではなく、住むという目線で納得できるまで「体感体験」するという住まいづくりを実行しているハウスメーカーを選択しましょう。

⑧会社ポリシー

自社商品特徴を全面的に押してくるのではなく、まずは何よりもお客様ご家族の生涯に亘っての暮らしを一番に考え、自社商品特徴を最大限に活かし、フィットした住まいづくりを提供するというポリシーを掲げているハウスメーカーを選択しましょう。

まとめ

ハウスメーカーは、今や考え方や作り方に差はあっても、必要十分な性能レベルに達しているのが現状です。
それでも尚、必要以上に性能を比較して判断する住まいづくりをしていて良いのでしょうか。
これからは、それぞれのお客様の暮らしを理解しフィットした住まいづくりを、そのハウスメーカーが採用している性能を使うことによって、実現しようとしている「お客様の暮らしを中心とした」姿勢なのかどうかが重要です。
それぞれのお客様が実現したいと思っている暮らしを理解しようと最大限の努力をしてくれて、更にその暮らしを実現するための必要な性能をプロとして情報提供しつつ親身になって相談に乗ってくれる業者なのかどうかを見極め、後悔しないハウスメーカー探しを行いましょう。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香