失敗しない土地探しの方法 ~100点の土地探しではなく100点の住まいづくりを~

土地(建築地)探しは、結婚と同じだと言われています。
優しいけど男らしさに欠ける…。部屋は綺麗にしてくれるけど、綺麗好き過ぎて落ち着かない…。お金は稼いでくれるけどほとんど家にいない…。など、結婚相手を決める時に、完璧な相手はいないのと同じで、完璧な土地など存在しません。
駅近で便利だけど狭い…。安いけど日当たりが悪い…。自然いっぱいの中で子育てしやすいけど不便…。
良いところも悪いところも含め、共に人生を歩んでいくと決めた結婚と同じで、優先順位をつけるとともに、100点の土地ではなく、住まいづくりという総合的な視点を持って100点の住まいづくりをしましょう。

土地の探し方

土地を探す時、まず最初にエリアや大きさ、形状などに目が行き勝ちです。

特に人気エリアで土地探しをしている方が、このループに入ると抜け出せなくなりますので注意しましょう。

➀土地探しの順序

土地探しは、土地単独で考えるのではなく、住まいづくりという総合的な視点を持つことが大切です。

ⅰ.住宅内部とそれに付随する外部空間で実現したいコト

先ず最初に、家を建てたら住宅内部とそれに付随する外部空間でどんなコトがしたいのかを書き出してみましょう。
・子どもと一緒に料理を楽しみたい。
・朝食は家族そろって庭を眺めながら採りたい。
・子どもをビニールプールで遊ばせたい。
・友人家族を呼んでBBQをしたい。
・休日は家族みんなでゴロゴロくつろぎたい。

ⅱ.土地に対する希望条件を挙げる

次に、土地に対する希望条件を書き出してみましょう。
・職場までの距離。
・車は常時2台、来客用1台。
・駅までの距離。
・〇〇小学校区。

ⅲ.土地に対する希望条件を時間に落とし込む

次に、土地に対する希望条件の内容を時間や頻度に落とし込みます。
・職場まで車で30分圏内。
・車常時2台は一生、来客は月に1回程度。
・駅の利用は子供が大学生を卒業するまで。 ※未定
・小学校6年間

ⅳ.土地に対する希望条件の優先順位を考える

最後に、「住宅内部とそれに付随する外部空間で実現したいコト」と「時間や頻度に落とし込んだ土地に対する希望条件」を照らし合わせます。
30歳で家を建てると、平均余命まで住み続けると約60年住み続けることになります。
また、日本人が睡眠時間も含めて60年間に家の中で過ごす平均時間の割合は、70%(24時間×0.7=約17時間)です。
今後住まう60年間を犠牲にして小学生期間の6年間を優先するのか、朝の通勤時間の10分を削るために家の中で過ごす平均時間の17時間犠牲にするのか、目先の事だけではなく、将来の良い暮らしをするためのトータルな時間軸という考え方を持って判断しましょう。

②一般論で良い土地とされる情報に惑わされない

整形地は家が建てやすい…。
南入り道路は日当たりが良い…。
こういった一般論で良いとされる土地がご家族に合った土地とは限りません。
また、こういった一般論で良いとされる土地のコストは割高になるケースが多く注意が必要です。

整形地と変形地

整形地は、企画プランを採用される方には無駄な空間が出来ずメリットが高い可能性があります。
しかし、変形地でも家は整形なので変形の庭が出来、整形の庭よりも奥行き感が出たり、駐輪場にピッタリのスペースになったりと、案外外部空間も含めた良い住宅になる可能性が高く、コストも抑えられて一石二鳥になる場合もあります。
単純に、変形地だからと最初からネグレクトせず、住宅内部とそれに付随する外部空間も含めて総合的に良い土地を選択しましょう。

南入り道路

確かに、南入り道路だと前に家が建たないため、日当たりという面でメリットが高いですが、住宅内部で考えた時に南側の日当たりの良い場所にリビングやダイニングを配置することが多いので道路からくつろいでいる様子や食事をしている様子が見られないよう道路にいる人からの視線をカットする必要が出てきます。
また、土地の大きさによっては南側道路の場合は車を止めるのも南側になるので、せっかく南側の日当たりの良い場所にリビングを配置しても外部空間を眺めると車しか見えないというケースも少なくありません。
単純に南入り道路だから良いと決めるのではなく、南入り道路の土地のデメリット

まとめ

土地選びというと、土地単体で判断し住宅と土地をバラバラで購入する方もおられますが、住宅と土地はご自身の暮らしを総合的に考えてこそ良い住宅が建てられます。
また、住まいづくりと土地探しは、目先の事だけで判断するのではなく、一生涯の長い時間軸の中で考えて行くことも重要です。
土地探しの順序をしっかり守って、本来の「家族が幸せに暮らす良いハコ(家)づくり」だという住宅を建てる目的を見失わず、一般論で良いとされる情報に惑わされず、ご自身に合った土地探しが出来るよう参考にしてください。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香