住宅設備部材メーカーのショールーム活用ポイント

住いづくりを進める最終段階になると新しい住いの建材、設備などを選択するという「住まいづくりの楽しい」プロセスがあります。

電子カタログの情報だけではなく実物を見て触れて選びたいものです。
住宅設備部材メーカーのショールームも展示の仕方や「選択のためのサポート」も様々充実し使い勝手は良くなっています。
個々の部材、パーツを選択するには良くできたショールームですし、特にお客様が部材を選択する段階で住宅会社/工務店が同行することが一般的になっていますので選択した内容の思い違いや行き違いなどもなく効率的です。
住宅会社/工務店側から見た場合、住宅設備部材メーカーのショールームは合理的です。

しかし一方でお客様が設備部材を選択する際に「住空間全体を見渡して判断するための情報が不足」しているということが見落とされています。

ここをどのように補完するのかが、お客様側から見た場合の住宅設備部材メーカーのショールーム活用のポイントです。

部材単体の判断による選択ではないのが住まいの設備部材選び

例えばシステムキッチンというメイン設備を選ぶのは楽しい作業です。

シンク、水栓カランやコンロ、食洗器などの機能を選ぶのは実際に使う方が日常の使い勝手を中心に判断されるのが正しいと思います。

カラーと材質という面ではカウンターの材質と扉の色柄がメインということになりますが、その部分は住空間全体のカラーコーディネートという視点でも考える必要があります。
壁付のキッチンか、対面式キッチン、あるいはアイランド型キッチンといったキッチンの配置タイプによっても住空間におけるシステムキッチンの存在感は大きく異なります。
特にアイランド型のキッチンは空間の中で占める存在感とインパクトが大きく部屋全体のカラーコーディネートに大きな影響を与えます。
また、一方で床材の材質とカラーは住空間全体のコーディネートに大きな影響を与えます。
人間の眼はやや下方を見て歩きますので視界の大半を占めます。
床材は視覚的に大きなウェイトを占めますので床とアイランド型のキッチンのカウンターと扉カラーコーディネートはトータルな考え方のカラーコーディネートが必要になってきます。

このように全体をまとめるための判断材料を持たないままでは決められないという状況に陥るはずです。
壁はビニールクロスか漆喰などのぬりかべなどの材質もありますが一般にはホワイトが色目の中心だと思います。
特に最近の傾向としてLDKは大空間化していますので「キッチンまわり」という局所的な範囲ではシステムキッチンの色柄、材質選択の判断がつかないということにもなってきます。

住空間全体で判断ということになるとプロのアドバイスが必要です。

住空間のコーディネートを3次元で判断するには専門家のアドバイスが必要

本来なら住空間のコーディネートを3次元で判断できる専門家は、その名称からインテリアコーディネーター(IC)なのですが一般的に日本のICは「商品の販促要員」という位置づけで空間全体をコーディネートする専門性は弱く、局所的な狭い範囲でのモノ選びが中心の仕事です。

もちろんその名の通りインテリア空間全体をコーディネートできる能力を持つ方もいらっしゃいますが、極限られた存在です。

どちらかというと建築設計担当の方に同行してもらってアドバイスいただく方が良いという場合が多く見受けられます。

本来のプロとの協働作業の姿

お客様の住まいづくりですからお好みで選択するというのが原則ですが、その範囲は「手元」「手の届く範囲」を中心と考えていただき「普通の大きさの声が届く範囲」「目の届く範囲」という、少し広いレンジでは個々の設備部材のハーモニーのウェイトが上がり、住空間全体のコーディネートが必要になりますのでプロのアドバイスをもとめて相談され、調整される方が良いと思います。

お客様自身で空間コーディネートをされる場合

そうは言っても適切なアドバイスをしてくれるプロがお近くにいない場合はお客様が空間コーディネートをする必要がありますから基礎的な知識を持っておきましょう。

視覚的に目に入る面積が大きいのは壁と床材の色ですが、壁は一般に白が基調で、一部の壁にアクセントカラーということになると思います。

床は一般に木質系床材が主力だと思いますのでは床に置くものの材質とカラーが様々ある場合は、比較的調和力のあるミディアム系の色を選ぶとコーディネートはまとまりやすくなります。
白黒モノトーンを好まれる場合は床もモノトーンで統一するということを考えてよいのですが吹き抜け空間などは、2階まで壁は連続してしまいますので壁はホワイト系を中心に考えると、2階は異なるインテリア空間を創ることがやりやすくなります。

参考にしてください。

持ち込むモノの個性が強い場合

リビングでもセンターテーブルやソファーなどのサイズやデザイン、素材、カラーなどによってその存在感が大きなタイプのモノが多くある場合は、出来る限り床壁天井、設備、内装ドア等は主張しない控えめなコーディネートを心がけると持ち込むモノが引き立ちます。

個性あるモノと建築側の強い個性を調和させるというコーディネートもあるのですがかなり高度なコーディネート力が必要になりますので一般に持ち込むモノの個性が強い場合は空間構成をする建築側のコーディネートは控えめなものにします。

「観て」「触れて」「自身が住まうとして」という目で楽しみましょう

住宅設備部材メーカーのショールームの最大の利点は現物に触れられるという良さがあります。

ただ、観るだけ、触るだけではなく「自身が住むとして、使うとして」という見方で使い勝手の確認をすることが基本です。

その上で他の設備部材との関係や住空間全体のコーディネートを考えるというステップで「楽しみながら」設備部材を選定してください。

まとめ

住いづくりの最終コーナーは「設備部材選び」という楽しい部分です。

モノを選ぶ目的はご自身にとって使いやすいとか利便性が高いという「実生活を下敷き」にして、その設備部材でどのような楽しい暮らしを実現するのかという視点でお選びください。
「こんなコトがしたいからこういうモノ」を選択したというように目的で考えて選択してください。

さらに住空間全体のコーディネートも上手にプロの意見を活用してまとめましょう。
住いづくりを楽しんでください。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
代表 松尾俊朗
一級建築士